こんにちは。
イキヅラヒツジです。
前回のエピソードでは、私が痔瘻になった経緯についてお話しました。
痔瘻(あな痔)と診断された日は何を見ても笑えないくらい心もお尻も落ち込みました。
今回はどうやら痔瘻の手術が必要っぽいという診断を下されてから、私がどのように病院を選んだかというところまでの経緯と意識決定の際に調べたことをお伝えさせてください。
痔瘻の手術をしなければ!病院選びはどうする?
元々通っていた自宅付近の肛門科は痔瘻の手術に対応していなかったため、どうせなら、手術もお願いできる病院にセカンドオピニオンも兼ねて改めてお尻を診察してもらおうと思いました。
とはいえ、肛門手術は難易度が高く、うまくいかないと術後に肛門括約筋が弱くなり、便失禁するようになったりとか、手術したのに何回も再発してしまったり、という事例が調べているとたまに見受けられるため、適当に病院を選ぶわけにはいきません。そして何より痛いのは嫌ですよね。
同じように悩む人に向けて私なりに病院探しのポイントになる情報をまとめました。
入院 か 日帰りか?
まずは入院するかどうかの選択です。
入院の方が少々お金はかかるものの、術後の痛みや症状のケアを随時していただけるため、安心感はありそうです。また、術後に最適な食事も提供していただけます。しかし、自宅療養の方がリラックスできる、自由に過ごせるというメリットもあります。
術式の改善等により、最近では日帰り手術を行う病院が増加傾向にあるようです。
私はできるだけ新しい治療法を受けたいと考え、そういった治療方法を提供している可能性が高そうな日帰り手術に対応した病院を探すことにしました。
ただ、術後はずっとソファやベッドで最低2、3日は安静に過ごした方がいいので、自宅での寝たきり生活が家庭の事情等で難しいかも…という場合は入院を選んだがいいかもしれません。
なぜ最近は日帰り手術が可能になっているのか?
ちなみに、最終的にお世話になった病院の先生になぜ日帰り手術が可能なのか聞いてみました。
どうやら、今から15年前ほどまでは痔の術後は傷を守るため1〜2週間ほど絶食し、排便しないようにしていたそうです。
そのため、入院が必要であったとのこと。
しかし、現在は排便で多少お尻の傷に負担がかかってもしっかりご飯を食べた方が回復が早まることがわかり、日帰り手術対応の病院が増えてきたようです。
他にも腰痛麻酔使用の場合、術後安静にしておく必要があったり、傷の状態管理(出血がないか 等)が必要といった理由で少し前までは入院手術が当たり前だったようです。
今は入院していても術後にご飯は食べるケースがほとんどのようですが、万が一の様々なリスクを避ける為に入院手術をしているというのもありそうですね。
3つの代表的な痔瘻の手術方法
次に重要なのが「どんな治療方法に対応しているか」です。小さめの病院だと展開している術式が少ない場合もあるようだったので、ここについてもよく調べました。ちなみに痔瘻の代表的な治療方法は以下の通りです。
※あくまでも私の病院選びの参考情報としてお伝えしているので、正確な情報についてはお医者様にご相談されることをお勧めいたします!
切開解放術
痔瘻の一次口(肛門内部)から原発巣(瘻管の中間にある膿を生成してしまう部分)、二次口(皮膚表面に現れる膿が出てくる部分)をまとめて削ぎ取ってしまう術式。術後は菌や膿がたまってしまわないよう、あえて縫合しないそうです(解放創)切ったのに縫わないって、めっちゃ恐怖感ありますよね…。
しかし、実際に切開解放術を受けましたが思っているよりも問題なく生活できているので、安心していただければと思います。
メリット:再発が少ない
デメリット:完治までにおよそ2〜4ヶ月ほどかかる。肛門括約筋の機能に影響する場合がある。
シートン法
瘻管に特殊なゴムを通し、そのゴムが瘻管内部をすこ〜しずつ破壊して行くことで、痔瘻を消滅させる方法。
メリット:術後のダメージが少ない。(痛いかどうかは別)肛門括約筋への影響や再発もほとんどないと言われている。
デメリット:定期的にゴムを病院で締め直さなければならない。締めなおした直後は数日間お尻が痛むことがある(キツく締めすぎるとそうなることが多いみたいです。)
くりぬき法
瘻管部分をくり抜く形で切除する。その際肛門内部の一次口は縫合する。切開解放術のリスクが高い場合に用いられやすい。
メリット:肛門括約筋への影響がなく、完治も切開解放術より早い。
デメリット:再発率がやや高い。
それぞれの術式詳細が気になる方は以下記事等を参照してみてください。
なお、病院によって、症状を見てからどの術式を採用するか決めるところや、患者がある程度術式を選択できるところ、そもそも特定の術式にしか対応していないところ、など様々なようです。
3つの代表的な麻酔方法(調査結果まとめ)
局所麻酔
麻酔自体もそこそこ痛いらしい。(個人差はあり)麻酔の効きが足りず、術中にキツイ場合もあるらしい
仙骨硬膜外麻酔
お尻の割れ目にある骨の間に注射する麻酔。
痛くないという感想、痛いという感想どちらも見た。ケースバイケース?最近はあまり使われていないっぽい。
腰椎麻酔
ほとんどの人が痛くないとの感想だった。昔は痛い麻酔だったが、最近は注射針が細くなった上、予備麻酔も皮膚表面に施すため、痛みが軽減されているようでした。(実際に受けてみましたが、ほとんど苦痛はありませんでした。)
また、下半身全体に効く麻酔のため、最も強力に効くようです。デメリットとしては、日帰り手術に対応していない場合があったり、術後に尿道にカテーテルを差し込まれるケースがある、などが挙げられます。
ちなみに私は麻酔がかなり効きにくい体質で、以前に親知らずの抜歯をしたときはとても苦しみました。麻酔とはこんなにも不完全な技術だったのか…と当時思い知ったのでした。
このことから私は「麻酔してもらうなら効果が確実そうな腰椎麻酔かなあ」と考えていました。(尿道カテーテルも恐怖だけど…)
もうね、恥ずかしながら痛いのがとにかく嫌でしてw
避けて通る方法があるならもちろんそちらを選びたいわけです。
痔瘻の術式は進化しているのか?
少しでもより改良されたであろう治療を受けるため、痔瘻の治療はここ数年でどんな進歩を遂げているかについて調べてみたのですが、私の調査範囲内ではそれらしい情報は見つけられませんでした。
ただ、結果として私が手術を受けた病院では患者の負担をできる限り軽減するためにいろんな工夫がされていると感じました。
このことから、大きな術式の改良はないものの、マイナーアップデートはされているのだと思います。詳細は次回のエピソードで詳しく紹介します!
痔瘻の手術が痛いと言われる理由
前回のエピソードでは、知り合い、いや、お尻合いとでもいうべきでしょうか?お尻合いの皆さんが口を揃えて、痔瘻の治療は激痛!と訴えていました。
これこそが、私が痔瘻にだけはなりたくなかった理由なのですが、実際のところどうなのでしょうか?
というか余談ですが痔の話になった途端、親父ギャグを解禁し出す人が多いこの風潮は何なのでしょうね。
(いろんな「痔主」 の体験談を読んだあなたなら共感できるはず・・・!)
すごい怖い病気なはずなのに「痔」って聞くと何故だか笑っちゃう。というか笑いにしないとやってられない!
話を戻しますが、どうやら激痛の治療というのは痔瘻の前段階の肛門周囲膿瘍の排膿治療のようでした。
排膿は患部がかなり炎症を起こしているため麻酔自体が痛いし、麻酔も効きにくいようです。
私は今回、肛門周囲膿瘍が痛みの症状を伴わなかったため、結果的に排膿手術は免除でした…。
ただ、もし再発した時に排膿手術が必要になったらと思うと本当に恐怖です。逃げ道としてあり得るのは、局部麻酔ではなく腰椎麻酔をしてもらうことでしょうか…。
逆に言えば、私と同じように、肛門が痛まないタイプの痔瘻(もしくは肛門周囲膿瘍)の方は、痛い治療はないと考えて大丈夫だと思います!
痔瘻の手術自体は痛くない!ただし麻酔方法によるかも
上述の通り、痔瘻の前段階である肛門周囲膿瘍で痛みがない場合は痛い治療をしなくていい可能性が高いとお話ししました。(もちろん判断はお医者さんに確認したほうがいいと思いますが…)
では、痔瘻の手術自体は痛むものなのでしょうか?色々な例をみてみましたが、基本的には手術で苦痛を伴うケースはほとんどなさそうでした。(実際私も無痛で手術を終えることができました。)
ただ、局部麻酔だと麻酔が効きにくい体質の人は麻酔が十分でなく苦しむケースもあるかもしれません。
私が調べた限り、日帰り手術では局部麻酔、仙骨硬膜外麻酔を採用している場合が多い傾向だったため、腰椎麻酔を希望する場合は入院手術をやっているところでお世話になった方がいいかもしれませんね。(日帰りでも腰椎麻酔をやってくれる病院もあります)
私が最終的に選んだ病院
結論として、上記情報を踏まえ私は以下のような条件の病院でお世話になることを決めました。
- 2022年ごとにできた比較的新しい病院
- 肛門科の専門医に執刀してもらえる
- 腰椎麻酔を採用している
- 日帰り手術をやっている
- 複数の術式に対応している
この記事を書いている現時点で私は術後1週間目ですが、とても丁寧に治療していだけたのか、覚悟していたよりはずっと快適な術後生活を送れています。病院選びで迷われている方の参考材料になれば嬉しいです。
次回 手術当日の流れや術後の痛みについてお話しします
次はいよいよ手術当日の流れについて体験談をお話しさせていただきます。
私はこれまでに親知らずの抜歯以外に手術をしたことがなく、当日はめちゃくちゃ緊張しました。
これから手術をする人のために、流れや痛みについての私の体験談を共有し、事前に把握していただくことで少しでも安心してもらえたらなと思っています。
それでは、今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!